仕事の一生を歩兵で終わりたくない

「アニメが好きでML1研究をしていたのですが、仕事としても活かせることに気付いてしまった。そして自分で物として開発できるのって凄く楽しい!」

読んでくださってありがとうございます。wakadoriと申します。現在は新卒でメーカーに入社し、MLエンジニアのようなもの2をやっています。

就活時のマッチングとしては分野が近くて、適切に選択できたと思う。私はMLの研究3をアピールしていて、先方はAI分野を意識した組織再編をしていて、そこにスッと入り込めたのだと思う。

数カ月に渡る長い新卒期間を終え、配属ガチャにも勝利し、無事その「AI分野を意識した組織」で仕事をさせて頂けることになった。

詳しくは守秘義務契約があるので書けないが、結構規模の大きなプロジェクトを進めている。今のところ5ヶ月半はそこで仕事を続けられたわけなので、それなりに自信はついた。

そこで感じた気持ちは、研究と仕事とでは全く役割が異なるのだということ。研究が生み出した新たな知識や技術を、仕事が価値を付加して社会に還元していき、消費者による消費がさらなる研究や仕事の活力になる。

ミリオタなので戦争に例えるけど、WW1では塹壕が発明されて、恐ろしいほどに戦線が膠着したらしい。それを突破する方策が色々考えられていて、その1つが戦車である。装甲に機動力を持たせて突破する発想で、実際に戦線を押し込んだ例もあるらしい。詳しくはマーク1戦車のWikipediaでも読んで欲しい。 ja.wikipedia.org

話が逸れたが、研究と技術の話に戻る。塹壕戦では戦車が最先端の戦線を生み出し、一方で歩兵たちがそれに追随する塹壕を整備し、戦場に還元するという流れがある。もちろん、戦車が数台あったところで戦争に逆転勝利するなんてことは無く、歩兵達が堅実に戦線を支えてくれてこそ、戦車の効果は発揮できる。

そういう意味で、今の仕事はとても価値のある仕事だと思う。


ただ、私はこの仕事を3年も続けられないと思う。一生を歩兵で居たくない。自分が戦車になってかっこよく戦線を突破したい。敵の懐に大穴を開けてやりたい。そうやって成果を上げて、次世代の戦車も生み出せるような力が欲しい。

弊社は所謂JTC4で、社内システムも旧態依然としたものを使い続けているし、一向に更新する気配もない。事情は色々あるけど、一番の原因は社員の年齢層が高いことにあると思っている。チャットソフトやクラウドを使う発想すら無いんじゃないかと思う。心理的に抵抗があるのだと思うと強くは言えないのだけど、はっきり言って効率が悪い。

そして怖い。私もこの会社で勤め続けて、社会に技術を整備する地味な歩兵として、一生を終えるんだと思うととてつもなく怖くなってくる。最新の技術に関心を持つことも無く、降ってくる仕事だけを必死に捌き続けて力尽きる。そんなの誰でもできるじゃん…。俺はやりたくない…。

ただ組織を変えるのは労力がかかるので、自分が動くほうが早いし楽だと思う。言ってしまうと入社当時の4月時点で転職活動をしていた。今もたまにやっている。LinkedInとかPaizaスカウトとかやってみて、ある程度は職が存在することを確認している。


一方で私生活のことを考えると、現在が考えうる最高の状態だと思う。通勤は徒歩5分、家賃は1万、残業はこの5ヶ月半で合計0時間。社宅なので光熱費も払わなくて良い。可処分所得と可処分時間がかなり多いので生活が楽である。

きっと給料が2倍とか3倍とかの職につくと、ある程度は残業したり家が遠かったり、なんだかんだ時間が無くなったりするんだろうなー、とぼんやり考えてしまう。そうすると動きたくなくなる。一生をこのまま安静に終えたい。


また、今年は初めて勉強会に参加して、その成果を技術書典85で世に出すという所まで来た。自分でWebアプリを実装してサービス化するのである。自分で自由な開発ができることにとてもワクワクしている。以下は11月に発表した構想をまとめたスライドである(宣伝)。ちなみに技術書典8は2日目の3/1です(宣伝)。 docs.google.com


とりあえず戦車になれるように装甲(筋肉)と機動力(技術)を身に着けていきたい、2020年はそういう年にしたいです。2019年はありがとうございました。良いお年を。


  1. Machine Learning, 機械学習

  2. 設計と社内折衝がメインでコーディングの機会を得られていない

  3. 画像生成モデルの損失関数の改善

  4. Japanese Traditional Company. 昔ながらの日本の社風を表したスラング

  5. テックベース合同会社が運営する技術分野の同人誌イベント。